いろはにほへと

本の紹介を、備忘録を兼ねて

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

明日戦争がはじまる

『明日戦争がはじまる』宮尾節子 まいにち 満員電車に乗って 人を人とも 思わなくなった インターネットの 掲示板のカキコミで 心を心とも 思わなくなった 虐待死や 自殺のひんぱつに 命を命と 思わなくなった じゅんび は ばっちりだ 戦争を戦争と 思わなく…

ふしぎをのせたアリエル号

『ふしぎをのせたアリエル号』リチャード・ケネディ(中川千尋 訳) ぬいぐるみの頭に針を突き刺した経験はあるだろうか? 私はある。 この本の主人公エイミイは船長の人形キャプテンとずっと一緒だった。 エイミイが生れた日にキャプテンも生まれた。 エイミ…

失われた本

更新が永久停止してしまいそうなので、ちょっと雑談を。 私の実家には、「お蔵(おくら)」と呼ばれている部屋がある。 正確には部屋でもなくて、中二階というのが正しいだろう。 そこには、いろんなものが眠っている。古い着物や、年代物のお酒、誰も弾かなく…

変身

『変身』フランツ・カフカ(高橋義孝 訳)虫が苦手で、なおかつ想像力がたくましい、というひとは読まない方がいいだろう。世界的に有名な作家の長く読み継がれる名作であっても、向き不向きというものがある。私がしてしまったように、せっかくコンビニで買っ…

オオカミ族の少年

『オオカミ族の少年』ミシェル・ヘイヴァー(さくまゆみこ 訳) クロニクル千古の闇シリーズ 遊びに来た友人が嬉しそうに「これ読んだことある!」と言ってくれたので。 そのうち書くつもりだったし、ちょうど良い機会になった。 物語の舞台は紀元前4000年の森…